PMOとはどんなお仕事か経験者が解説します

PMOとはどんなお仕事か経験者が解説します

わたしはIT系エンジニアなのですが、PMO経験もあります。
PMOに興味がある友達ができたのと、PMOってなんだかわからなくて断った友達がいるので、PMOとはどんなお仕事なの?を解説していきたいと思います。

PMO(ぴーえむおー)とは

  • Project Management Office(プロジェクトマネジメントオフィス)の略
  • 主にITの大規模開発案件で設置される、プロジェクトのマネジメント部門
  • プロジェクトを円滑に進めるためのルールの策定・管理・推進を行う

先に白状すると、性格的にぜんぜん合わないわ、時間が余りすぎるわで、ごめんなさいして途中で抜けさせてもらったので、最初から最後までやり遂げたわけではないです。
エンジニア人生でこれほど結果を出せなかったのは初めてというくらいPMOは合わなかったので、そういう人が書いている前提で読んでください。

PMOには大きく分けて2つのパターンがある

PMOの種類

  • マネジメントに関わる事務処理を担うパターン
  • プロジェクトマネージャーの権限を一部委譲されたパターン

わたしがやっていたのは事務処理係パターンです。
プロジェクトマネージャー(PM)へステップアップしていきたいという希望で、PMOをやらせてもらったのですが、予想以上に事務事務しい事務で、マネージャーへの道が開ける案件ではありませんでした。
事務の派遣さんのほうが256倍得意な仕事だと思う…。

プロジェクトマネージャーの権限の一部委譲パターンは、PMOがプロジェクト内部の運営、プロジェクトマネージャーが対外的な運営と領域を分けたり、プロジェクトマネージャーがプロジェクトを統括し、実運用はPMOが実施するなどだそうです。

PMOに資格はいるの?

資格は不要ですが、PMBOK(ピンボック)は勉強しておくと良いです。
PMBOKはプロジェクトマネジメントを体系化したもので、プロジェクトマネジメントとはなんぞや?という知識がまとめられています。
プロジェクトマネージャーが理解していれば良いので必須ではありませんが、自分のやっている作業が何なのか・目的は何かを知っておくと、言われたことをやるだけではなく、その先を視野に入れた仕事ができます。

PMOは具体的にはどんな仕事をするの?

PMOの具体的な仕事の内容

  • プロジェクトのルールの策定・推進
  • 進捗の管理
  • 会議の運営や資料の作成
  • 課題、QA、Todoの管理・推進
  • 成果物の品質の管理
  • チーム間の調整

システム開発ではない人にはピンとこないタスクもあるかもしれませんが、プロジェクトを円滑に進めるためにやることです。

プロジェクトマネージャはこれらに関して、決定権を持っています。
例えば、PMOが進捗を把握して見える化し、プロジェクトマネージャーが担当やスケジュールの組み換えを指示する。
だから事務処理系PMOと、プロジェクトマネージャの権限委譲系PMOでは、どこまでやるか、の範囲が変わってきます。

プログラミングなど開発の知識は必要?

プログラムは組めなくても大丈夫だけど、システム開発のプロジェクト参加経験は必須スキルとして求められる場合がほとんど。
また、銀行の案件だったら銀行でのプロジェクト参加経験、コンビニのレジ開発ならレジ開発と、該当する経験も求められます。

事務処理系PMOの仕事自体は開発経験がなくてもできるレベルだと思いますが、わたし自身は客先常駐でいろんな客先に行っては、未体験の業界や言語のシステムを作ってきたため、経験がないことをやるのに慣れているから、そう思うのかもしれません。

権限委譲系は実質プロジェクトマネージャーとして動くから、マネジメントの経験がなければお話になりません。

これは小声で言いますが、PMO人材はたぶん人手不足です。
経験不足でも、ちょっとしゃべった感じで「おや?」みたいな人も通っちゃいます。
本当に全く開発の経験がない人は、テスターもスキル不要なので、テスターを3か月くらいやってプロジェクト経験ありにしちゃえば行けるんじゃないか…と思う。
テスターというのは開発したシステムがちゃんと動くか動作の確認をする人ね。

PMOになることのメリット

PMOになることのメリット

  • 勉強を続けなくても良い
  • 高単価である
  • 年齢を重ねても続けられる

勉強を続けなくても良い
もちろん、自分の成長のための勉強はしたほうが良いですよ。
でも、最新の情報を追い、言語も覚えていって…と常に勉強していかないと取り残される開発者と違って、PMOを続けていくための勉強は特に要らないです。

技術書だって安くないし、勉強を続けていくって精神力もお金も時間も要るもんね。
勉強を続けなくて良くて、そこそこ単価の稼げる仕事をしたい人には悪くないと思います。

高単価である
なぜか開発者より単価が高いです。(個人的には、学習コストが高い技術者より単価が高いのは納得いかない)
地方で事務をやってると額面で月給15万円程度かな?
ほぼ同等の作業だと思うけど、派遣でPMOの時給を調べたら3,000円前後でした。
1日7.5h×20日として、月45万円ほどになる計算です。
高単価の謎はわたしもわからないですが、そのぶん大変というわけではないです。

年齢を重ねても続けられる
開発と違って若い体力とか要らないので、年齢制限をかけられることもほぼありません。
むしろ、ちょっと年齢行っているくらいがちょうど良いです。
ちまちましたルールを若造に指図されるより、ある程度年齢を重ねた人のほうが効果があるとか、対人的にやりやすいとか、そういうことだと思います。

PMOになることのデメリット

PMOになることのデメリット

  • 技術面では成長を感じられなくなる
  • 事務処理系PMOは目に見える結果を出せないため、SESは不利
  • PMO案件は減るとわたしは予想している

技術面では成長を感じられなくなる
技術面で新しいことを覚える機会は減ります。
急に停滞する感じとか、そのことへの焦りとか、疑問を感じると思います。
そのままPMOとしてやっていきたい人は良いけれど、通過点と考える人にとっては、ここで時間を使って良いのか悩みます。
実際には、プロジェクトマネージャーの手足となるわけだから、プロジェクトを俯瞰して見る視点であったり、問題解決であったり、学ぶところがないわけではないけど、既に炎上案件の場合はもはやそこにあるのはカオスだけである…。

事務処理系PMOは目に見える結果を出せないため、SESは不利
事務処理系の場合、開発と違って目に見える結果を出すことが難しいので、評価が「特に問題がない」みたいな感じになります。
だってやっぱり進捗を管理してもタスクを進めるのは担当者たちの努力だし、課題管理表を整備したところで課題を解決するのはやっぱり担当者なので、自分の評価に繋がらないんだよね。
なんだろ、お母さんはご飯を作ってお洗濯してお掃除して当然、誰もほめてはくれない、みたいな感じになる。
客先に常駐している下請け業者の立場のSESだと、お客さんから高く評価されないと、自社でも評価されないので、査定で不利です。

PMO案件は減るとわたしは予想している
わたしの予想だから外れるかもしれないけど、「開発はアジャイルが主流になる」、「東京オリンピック後の不況で大規模案件は減る」と予想しているので、PMOを置くような案件は減っていくと見ています。
PMOの仕事を継続していくのは、難しくなるのではないか、ということです。

PMOの仕事の難しい点

PMOは、プロジェクトにとって風紀委員的立ち位置です。
タスクの遅延を暴いてイナズマ線をへこませてみんなの前に晒すわ、勝手にフォルダを作るなだの、課題管理表が書けていないだのと、なんだか煙たい存在になりがちです。
威圧的にならず、雰囲気を悪くせず、ルールを守らせる必要があるので、うまく立ち回るスキルが必要です。

こう言ってはなんだけれど、根本的に開発の何たるかや、仕事のやり方がわかっていない人には、何度同じことを言ってもできません。
ルール違反をするのはいつも同じ人です。
成長は遅いが少しずつ改善していく人は良いけれど、全く成長しない人もいます。
威圧的にならないように、わかりにくいルールですみません、面倒で申し訳ないけど、という姿勢でお願いすることになります。
これ言うの5回目だけど、とか思いながら。
わたしはそれが結構ストレスになりました。

わたしには何が合わなかったか

PMOが合わなかったと言うよりは、案件が自分の進みたい方向と合わなかったというほうが近いです。
途中で投げ出すことの是非はあると思いますが、わたしは客先常駐だしそれなりにもうベテランのお年頃なので、軌道修正は早めにする必要があったとご理解ください。

まとめ

PMOとはどんなお仕事か、イメージできたでしょうか。

事務処理系であれば、必要なのは事務処理能力なので、特別なスキルは必要はありません。
PMOとして求められる条件の経験さえ積めれば大丈夫です。

わたしはこの仕事好きじゃないんだよね、という背景がにじみ出てしまいましたが、わたしに合わないことと、あなたに合うことは全然関係ないからね。
興味があるのにイメージがつかなくて飛び込めなかった人は、ぜひやってみてください!

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